2月28日から3月7日にかけて、ユースセッションのコーディネートを行う瀬戸、髙垣は中部太平洋のマーシャル諸島へ行ってきました。
マーシャル諸島では1946年から58年の12年間、米国による67回の核実験が実施され、今もなお人々の健康被害や汚染された故郷に帰ることのできない状況が続いています。
現地では首都のマジュロに滞在し、3月1日に国の公休日として定められている核被害者追悼記念日(Nuclear Victims Remembrance Day)に合わせて式典やマーチが催され出席。また現地で知り合った人々との交流も重ねました。
現地で行ったことを報告します。
<現地の催しに参加>
核被害者追悼記念式典参列
3月1日にマジュロで行われた式典に参列。マジュロ市長、被害地域を代表するビキニ環礁選出の国会議員、米国大使館、マーシャル諸島大統領などのスピーチや、ビキニの人々の歌唱が行われた。式典前のマーチや式典後に行われた大統領主催のランチ会合にも参加し、マーシャル諸島内外から集まるさまざまな世代の人々と交流した。
学生たちのディベート大会見学
到着翌日に南太平洋大学マーシャル諸島キャンパスで行われたディベート大会を見学。ディベートのテーマは「マーシャル諸島は核兵器禁止条約に批准すべきか否か」。ディベートを通して学生たちが学びを深める様子が印象深かった。
学生たちのアート展示見学
マーシャル諸島短期大学の中庭で2月29日に行われていたアート展示を見学。学んだこと・感じたことをタオルアートなどで表現する展示、インフォメーションボードなどを見学し、主催した「Nuclear Club」代表にお話を伺った。
アート展示&オープンマイクに参加
式典前日と当日に現地ホテルのプールサイドで開催された核実験や気候変動をテーマにしたアートの展示、同じ会場で開催されたオープンマイクイベントに参加した。イベントでは歌を披露したほか、高知からマーシャル諸島を訪れた、核実験による被災漁船員を父に持つ下本節子さんのスピーチを通訳サポートした。
<施設訪問・人との出会い>
アレレ博物館見学
マジュロ唯一の博物館を見学。核実験より以前からのマーシャル諸島の歴史を学び、上階の図書館では司書の女性と日本統治時代のミクロネシア地域についてお話を伺った。
Jo-Jikumオフィス訪問
マジュロを拠点に気候危機や核問題に取り組むNGO「Jo-Jikum」のオフィスを訪問し、活動内容や今回の追悼記念日に合わせて開催したプールサイドでのアート展示について伺った。
Nuclear Institute訪問
マーシャル諸島短期大学にある核問題を研究するオフィスを訪問した。研究のみならず、オフィスを拠点に学生グループ「Nuclear Club」が活動しており、所属学生と交流し、活動の背景などを伺った。
Cultural and Historic Preservation Office訪問
様々な歴史資料を保管するCHPOを訪問。核実験や日本統治時代の資料などを見せていただき、今後の取り組みなどについて伺った。
ビキニ環礁首長トミー・チボック氏インタビュー
マジュロ市内のビキニ環礁オフィスを訪問し、首長にお話を聞いた。強制移住後にいまだに故郷に帰ることがかなわないビキニの人々の暮らしや現状、今後についてお話を伺い、インタビュー動画を撮影した。
ロンゲラップ環礁オフィス訪問
マジュロ市内のロンゲラップ環礁オフィスを訪問し、避難生活が続くロンゲラップの人々の現状や職員の方が経験した避難までの経緯などを伺った。
<オンライン企画の実施>
・実施日:3月2日16:00〜18:00(日本時間)
・開催場所:Social Book Cafe ハチドリ舎 / Zoom / Youtube
・共催:世界のヒバクシャと出会うユースセッション
ハチドリ舎、カクワカ広島
・企画タイトル:「ブラボー水爆実験70年 式典報告中継」
・内容概要
ユースセッションの説明
マーシャル諸島での核実験概要を解説
旅程の共有、式典の様子や印象に残ったできごとを報告
・参加人数:30名(店内登壇者含む)※メディア取材:4件
渡航に際し、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金『ピースグラント』に助成いただいたほか、さまざまな個人や団体の皆さまからご寄付をいただきました。皆さんのお力添えで多くの学びと出会いのある渡航が実現したことを、心より感謝いたします。
これからも、今回の出会いを活かして学びの輪を広げ、活動を続けてまいります。