2024年3月1日、マーシャル諸島ビキニ環礁での核実験「ブラボー」から70年の節目を迎えます。広島型原爆の1,000倍である15メガトンの水爆を使ったこの実験は、マーシャル諸島の各環礁に暮らす人々だけでなく、近海で操業をしていた第五福竜丸をはじめ、多くのマグロ漁船が被ばくする事態も引き起こし、日本では「ビキニ事件」や「第五福竜丸事件」としても知られています。
毎年3月1日は「核被害者追悼記念日」として太平洋で行われた核実験によるすべての被害者に想いを馳せます。また、マーシャル諸島共和国はこの日を公休日に定め、1946年から58年にわたり同地域で米国により行われた67回の実験による被害者を追悼します。
今回は、高知県の下本節子さんのメッセージを紹介します。下本さんのお父さんは、70年前の3月1日ブラボー実験で被ばくした第七大丸乗組員、大黒藤兵衛(おおぐろ・とうべえ)さんです。下本さんは元船員や遺族らが国に対して起こした救済などを求める訴訟で原告団長を務めています。3月1日の式典に参加するため、初めてマーシャル諸島を訪れました。